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李登輝「武士道」解題・語録シリーズ3

李登輝「武士道」解題・語録シリーズ⑶

第一部 武士道を読む


第一章 道徳体形としての武士道

・武士道は道徳的原理の掟であって武士が守るべき事を要求されたるものもしくは教えられたるものである

・それは語られず書かれざる掟心の肉碑に録されたる律法たること

・不言不文であるだけに実行によって一層力強き効力を認められている


第二章 武士道の淵源

・仏教の与え得ざりしものを神道が豊かに供給した

・神道の教育によりて刻み込まれたる主君に対する忠誠祖先に対する尊敬親に対する孝行は他のいかなる宗教によっても教えられなかった

・戦争で亡くなった人に背を向ける様ならその政治指導者はどうかしてると言える

・国にはしきたりがあるのです昔の事に捉われるあまり中国や韓国の人が日本問題に嘴を挟むのは間違いだ

・新渡戸稲造は神道が主君に対する忠誠と親に対する孝行を教えるものでありそれによって傲慢な武士でも服従する心を持てた

・日本の大学生が日本は台湾を始めアジア各国を侵略したその上今の日本は政治家はどうしようもないもはや日本なんて国家は要らないのではないか個人個人が国際人として生きて行けばよいと言ったがだからと言って神道やましてや日本国そのものを否定する考えには反対です

・国家と国家の結びつきは全体と個という観点で捉えるべきで個が無くては全体が成り立たない一方全体があって個が存在し得る

・そうした考えに立って国の必要性を想い健全な愛国心を育む事が自然ではないか

・愛国心は自然な民族的感情に根ざすもので国家によって強制される類のものではない

・大和民族は経書が日本に輸入される遥か昔から本能的に君臣親子夫婦長幼朋友間に於ける人倫五常の道の重要さを的確に認識しており孔子の教え儒学は追認したに過ぎない

・武士道の淵源の一つとして儒教の影響は否定できないがそれ以前から営々として積み上げられてきた大和民族固有の歴史や伝統哲学理念風俗習慣等があったからこそ世界に誇るべきこの日本精神の精髄が結晶したのだ

・陽明学の最大のポイントは知行合一の四文字にあります

・すなわち知る事と実行する事とは本来一つには分けられない

・知ってるだけで実行しないのはまだ本当の知とは言えない

・行の概念は幅広く人間の心の働き例えば好悪の情や心に兆す意欲思念等も行に含まれる

・行は当然道徳的規範に合致していなければならずそこには行動として外に現れた不善だけでなく心内の思念の不善をも克服する厳しさが求められている

・武士道なるものが定着したのは広義の16世紀の日本であり更に磨きがかかったのが徳川265年の泰平時代であったと考えても良い

・しかし武士道という言葉が一般的になったのは明治時代後半のこと


第三章 義

・義務とは正義の道理が我々に成す事を要求し且つ命令するところ以外何ものでもない

・正義の道理は我々の絶対命令であるべきではないか



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